01.RFIDの分類とそれぞれの使い方

「RFID」で調べると、電磁誘導方式と電波方式の2つや複数の周波数帯、もしくはUHF(920MHz)帯の解説が並びます。複数種類の解説は広義、UHF帯のみの解説は狭義と捉えてください。当サイトでは後者にあたる「UHF帯のRFID」のご案内および取り扱いを行っています。

交通カードや自動会計レジなど身近な所でRFIDは利用されています

広義のRFID(UHF帯を含む複数の周波数帯)

日本国内で使用されるRFIDの周波数帯には、LF帯(130〜135kHz)、HF帯(13.56MHz)、UHF帯(900MHz帯)、マイクロ波(2.45GHz)の4種類があります。非接触による読み書きを行う際は、それぞれの周波数に合わせてICタグとリーダーを選ぶ必要があります。

現在、広く利用されている交通系カードやマイナンバーカードはHF帯に分類され、一般的にNFCと呼ばれる技術です。NFCの中でも複数の規格が存在し、広義と狭義の定義で区別されます。

自動認識協会(JAISA)では、LF帯はHF帯へ、マイクロ波はUHF帯へ市場が移行しているという見解を示しています(RFIDの基礎知識・PDF・2022年制作)。

狭義のRFID(UHF帯のみ)

なお、UHF帯の周波数は国によって異なるため、日本国内で販売および利用されているRFIDリーダーを海外でも使用したいという場合は注意が必要です。

RFIDリーダーの機種によっては、日本および海外の周波数に対応しているものもあり、その場合は日本国内で使用しているRFIDリーダーや運用システムを海外の拠点でも使用することができます。

日本のRFID規格一覧

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周波数 通信方式 通信距離 主な用途
LF帯 130〜135kHz 電磁誘導方式 10センチ前後 キーレスエントリー
HF帯 13.56MHz 電磁誘導方式 10センチ以下・50センチ前後 交通系カード、マイナンバーカード
UHF帯 920MHz帯 電波方式 数メートル 物流、在庫管理
マイクロ波 2.45GHz 電波方式 2メートル前後 物流管理

02.RFIDでできること

アパレル店舗の商品管理を例にすると、これまで商品タグをバーコードで読み取る際には、商品タグを手にとって1つずつスキャンする必要がありました。場合によっては商品を袋から取り出さなければならず、作業に時間がかかるだけでなく、読み取り漏れが発生するケースもあります。

RFIDは複数の商品タグを一括スキャンすることが可能です。また、距離が離れている場合や視認ができない状況でも読み取れるのもRFIDの大きなポイントです。棚の高い位置にある商品やダンボール箱の中に入っている商品のタグも読めるため、大幅な作業時間の短縮と正確なチェックを実現できます。

RFIDの主な導入例

03.RFIDの仕組み

RFIDは、ICタグとRFIDリーダー間での電波の送受信によって情報を読み取ったり書き込んだりできます。
では、具体的にどのような仕組みで情報の読み書きができるのでしょうか。

  1. RFIDリーダーのアンテナから電波を送信 RFIDリーダーのアンテナから電波を送信
  2. ICタグのアンテナで電波を受信し、ICチップが駆動 ICタグのアンテナで電波を受信し、ICチップが駆動
  3. ICチップ内のコード情報を信号化し、アンテナから送信 ICチップ内のコード情報を信号化し、アンテナから送信
  4. RFIDリーダーのアンテナで信号を受信 RFIDリーダーのアンテナで信号を受信
  5. RFIDリーダーを介し、スマホやパソコンへ情報を転送 RFIDリーダーを介し、スマホやパソコンへ情報を転送

この一連の流れが1秒間に何度も実行されます。RFIDリーダーとペアリングしたスマホやハンディターミナル、パソコンなどに転送されるのはICタグに書き込まれているコード情報です。そのまま使用することも可能ですが、アプリ上でアイテム情報と紐づけることで、棚卸や在庫管理などの業務を短時間で行うことが可能になります。


アプリでは読み取った情報が見やすくデザインできます(0:55から)

動画中のアプリは無料でお使いいただけます

無料のスマホアプリ「RFID BOX」

04.RFIDのメリット

電波の送受信によって情報を読み取るRFIDは、バーコードと比較してさまざまなメリットがあります。一方でデメリットもあるため、導入前にしっかりと把握しておくことが大事です。

メリット 1

広い読み取り範囲

UHF帯のRFIDなら、ICタグとRFIDリーダーの距離が数メートルから十数メートル離れていても読み取ることができます。バーコードのように手元まで接近して読み取る必要がないため、手の届かないところにある商品の確認も容易になります。

メリット 2

複数のアイテムを一括で読み取る

RFIDリーダーからICタグへ電波を照射すると、読み取り範囲内にある複数のICタグを一括で処理することができます。作業スタッフが1名の場合でも、大量の商品の読み取り作業を短時間で終えることが可能です。

電波の照射範囲内にあるICタグの情報を一括で読み取ります

メリット 3

箱に入れたままでOK

RFIDは目に見えない場所にあるICタグでも読み取ることができます。例えば、ダンボール箱に入った商品をスキャンする場合、バーコードは一度商品を箱から取り出す必要がありますが、RFIDは箱の外側から読み取ることができるため、ダンボールを開封せずに作業できます。

ダンボールの中身を開封しなくても読み取ることができます

探索ができる

探したいICタグだけを限定して読み取ることができます。RFIDリーダーと対象物との距離に比例して電波の受信感度が変化するため、読み取りの反応がより強い方向へRFIDリーダーを向けて近づいていくことで、ICタグの位置を特定することが可能です。紛失物の捜索やピッキングなどで効果を発揮します。

電波の受信感度の変化によって特定のICタグを探索できます

メリット 5

汚れに強い

RFIDは電波を使ってICタグの中のコード情報を読み取っています。そのため、バーコードで発生する印字部分の汚れやかすれによる読み取り不良、誤読といった事象が、RFIDでは発生しません。

ICタグに汚れが付着したとしても読み取り性能に影響しません

一括読み取りの方法

どのように探索する?

05.RFIDのデメリット

デメリット 1

水や金属の影響を受けやすい

水が入ったペットボトルや金属製品にICタグを貼付した場合、電波が吸収・拡散されてしまうため読み取りできなくなります。そのため、対象部分から少し離した位置にICタグを貼付する、飲料や金属対応のICタグを使用するなどの対策が必要になります。

ペットボトルや金属製品に貼付されたICタグは読み取りできません

水分への対策

水がない部分へ貼り付ける
水が入ったボトルにICタグを貼る場合、水分のないボトル上部なら読みやすくなります。
密着を避けて貼り付ける
ボトルに直接ICタグを貼るのではなく、空間を作って貼ることで水分による影響を少なくすることもできます。
水分への貼付対策

金属への対策

金属対応のICタグを使う
金属対応タグなら影響を受けにくく、中には金属面への貼付で読み取り距離が長くなるものもあります。
完全に金属で囲わないようにする
完全に金属で囲われると読み取れません。電波が回り込めるようになるべく隙間を空けるようにします。
金属対応タグ

デメリット 2

イニシャルコストが高い

RFIDで管理を行う場合、RFIDリーダーのほか、管理するアイテムと同数のICタグを用意すると、バーコードに比べて導入コストが高くなります。しかし、RFIDの導入によって作業が効率化されることで作業時間や人件費が削減できるため、結果的にトータルコストで見ると経費削減につながります。

RFIDは導入コストが高いですがトータルコストでは経費削減になります

導入コストに関するヒント

ランニングコストを考える
RFIDのコストメリットは稼働してから発揮されます。人件費などのランニングコストも合わせて長期的な視野で考えてみましょう。
RFIDの価格と導入のポイント
開発の費用を抑える
開発費用を抑えるなら、アプリの使用がおすすめです。RFIDリーダーとアプリを同梱した棚卸パッケージを取り扱っています。
RFID棚卸パッケージ