01.RFIDでできること

アパレル店舗の商品管理を例にすると、これまで商品タグをバーコードで読み取る際には、商品タグを手にとって1つずつスキャンする必要がありました。場合によっては商品を袋から取り出さなければならず、作業に時間がかかるだけでなく、読み取り漏れが発生するケースもあります。

RFIDは複数の商品タグを一括スキャンすることが可能です。また、距離が離れている場合や視認ができない状況でも読み取れるのもRFIDの大きなポイントです。棚の高い位置にある商品やダンボール箱の中に入っている商品のタグも読めるため、大幅な作業時間の短縮と正確なチェックを実現できます。

商品の棚卸や入出荷検品など、RFIDはさまざまな業務を効率化します。

RFIDの主な導入例

アパレル 商品の棚卸
倉庫・物流 入出荷検品
オフィス 資産管理
製造業 工具管理、工程管理
イベント 入退場管理
建設業 設備管理、検査機器管理
飲食店 賞味期限の把握
託児所・学校 点呼の効率化

02.くらしに身近なRFID

RFIDは、普段の生活の身近なところにたくさん存在しています。交通系カードや電子マネーをはじめ、カードキー、セルフレジ、商品の棚卸などでRFIDは利用されています。

交通カードや自動会計レジなど身近な所でRFIDは利用されています

03.RFIDの仕組み

RFIDは、ICタグとRFIDリーダー間での電波の送受信によって情報を読み取ったり書き込んだりできます。では、具体的にどのような仕組みで情報の読み書きができるのでしょうか。

  1. RFIDリーダーのアンテナから電波を送信
  2. ICタグのアンテナで電波を受信し、ICチップが駆動
  3. ICチップ内のコード情報を信号化し、アンテナから送信
  4. RFIDリーダーのアンテナで信号を受信
  5. RFIDリーダーの制御部を介し、モバイル端末やパソコンなどへ情報を転送

この一連の流れが1秒間に何度も実行されます。RFIDリーダーと連携するモバイル端末(スマートフォン・ハンディターミナル)やパソコンなどに転送された情報をアプリケーションで処理することで、棚卸や在庫管理などの業務を短時間で行うことが可能になります。

ICチップの情報をRFIDリーダーで読み取り、端末に送ります

RFIDでできることをアプリ1つで体験できます

RFID体験アプリのご紹介

04.周波数の違い

日本国内で使用される周波数帯には、LF帯(135KHz以下)、HF帯(13.56MHz帯)、UHF帯(900MHz帯)、マイクロ波帯(2.45GHz帯)の4種類があります。非接触による読み書きを行う際は、それぞれの周波数に合わせてICタグとRFIDリーダーを選ぶ必要があります。

現在、広く利用されている交通系カードや電子マネーはNFCの仲間で、HF帯に分類されます。UHF帯は他の周波数帯に比べて長距離の通信に優れており、流通の分野でよく利用されています。

なお、周波数は国によって規格が異なるため、日本国内で販売、利用されているUHF帯RFIDリーダーを海外でも使用したいという場合は注意が必要です。

RFIDリーダーの機種によっては、日本および海外の周波数・規格に対応しているものもあり、その場合は日本国内で使用しているRFIDリーダーや運用システムを海外の拠点でも使用することができます。

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周波数 通信方式 特徴 通信距離 用途
LF帯 135KHz以下 電磁誘導方式 環境に左右されにくい 10センチ前後 キーレスエントリー
HF帯 13.56MHz帯 電磁誘導方式 水の影響を受けにくい 50センチ前後 電子マネー、個人認証
UHF帯 900MHz帯 電波方式 通信距離が長い 数メートル 物流、在庫管理
マイクロ波帯 2.45GHz帯 電波方式 アンテナが小型 2メートル前後 書類管理

05.RFIDのメリットとデメリット

電波の送受信によって情報を読み取るRFIDは、バーコードと比較してさまざまなメリットがあります。一方でデメリットもあるため、導入前にしっかりと把握しておくことが大事です。

メリット 1

広い読み取り範囲

UHF帯のRFIDなら、ICタグとRFIDリーダーの距離が数メートルから十数メートル離れていても読み取ることができます。バーコードのように手元まで接近して読み取る必要がないため、手の届かないところにある商品の確認も容易になります。

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RFID バーコード QRコード
複数同時認識

条件によっては可能

条件によっては可能
遮蔽時の認識
汚れへの耐久
データの書き換え
コスト 導入時が高い
(イニシャルコスト)
人件費が高い
(ランニングコスト)
人件費が高い
(ランニングコスト)

メリット 2

複数のアイテムを一括で読み取る

RFIDリーダーからICタグへ電波を照射すると、読み取り範囲内にある複数のICタグを一括で処理することができます。作業スタッフが1名の場合でも、大量の商品の読み取り作業を短時間で終えることが可能です。

電波の照射範囲内にあるICタグの情報を一括で読み取ります

メリット 3

箱に入れたままでOK

RFIDは目に見えない場所にあるICタグでも読み取ることができます。例えば、ダンボール箱に入った商品をスキャンする場合、バーコードは一度商品を箱から取り出す必要がありますが、RFIDは箱の外側から読み取ることができるため、ダンボールを開封せずに作業できます。

ダンボールの中身を開封しなくても読み取ることができます

メリット 4

探索ができる

探したいICタグだけを限定して読み取ることができます。RFIDリーダーと対象物との距離に比例して電波の受信感度が変化するため、読み取りの反応がより強い方向へRFIDリーダーを向けて近づいていくことで、ICタグの位置を特定することが可能です。紛失物の捜索やピッキングなどで効果を発揮します。

電波の受信感度の変化によって特定のICタグを探索できます

メリット 5

汚れに強い

RFIDは電波を使ってICタグの中のコード情報を読み取っています。そのため、バーコードで発生する印字部分の汚れやかすれによる読み取り不良、誤読といった事象が、RFIDでは発生しません。

ICタグに汚れが付着したとしても読み取り性能に影響しません

動画で「RFID」を知ろう

一括読み取りの方法

どのように探索する?


デメリット 1

水や金属の影響を受けやすい

水が入ったペットボトルや金属製品にICタグを貼付した場合、電波が吸収・拡散されてしまうため読み取りできなくなります。そのため、対象部分から少し離した位置にICタグを貼付する、飲料や金属対応のICタグを使用するなどの対策が必要になります。

ペットボトルや金属製品に貼付されたICタグは読み取りできません

デメリット 2

イニシャルコストが高い

RFIDで管理を行う場合、RFIDリーダーのほか、管理するアイテムと同数のICタグを用意すると、バーコードに比べて導入コストが高くなります。しかし、RFIDの導入によって作業が効率化されることで作業時間や人件費が削減できるため、結果的にトータルコストで見ると経費削減につながります。

RFIDは導入コストが高いですがトータルコストでは経費削減になります