01.ICタグ・RFタグのメモリ構造
ICタグ・RFタグの中にあるICチップには、「EPCメモリ」「USERメモリ」「TIDメモリ」「RESERVEDメモリ」の4つのメモリ領域が用意されています。
メモリの構造と聞くと一見難しそうですが、ICタグを使ったアイテム管理を行う上で重要な「EPCメモリ」と「USERメモリ」の違いだけでも押さえておきましょう。
- 参考情報
- 「ICタグ・RFタグの基礎知識」では、ICタグの基本構造についてご紹介しています。詳しくは「RFIDとは?(基礎知識編): ICタグ・RFタグの基礎知識」をご覧ください。
01-01.EPCメモリ
ICタグを識別するためのコード情報を格納する領域です。EPCメモリは主に3つの領域で構成されています。
- UII領域
- ユーザーが自由に読み書きできる領域です。利用シーンに合わせて「EPC標準識別コード」または「企業が独自に採番したユニークなコード」を格納することで、ICタグを織別します。
- 参考情報
- EPC標準識別コードとは?
- 一般財団法人流通システム開発センター(GS1 JAPAN)が定める標準識別コードを基礎とし、国内外で使用する既存のバーコードシステムとの整合性を確保しながら、RFIDのシステムを構築することが可能な国際標準規格の織別コードです。
EPCには下記2つの領域も存在しますが、ユーザーが普段使用する領域ではないため、基本的には意識する必要はありません。
- CRC領域
- ICタグのコード情報が正しく読み書きできたかどうかを検証するための領域です。
- PC領域
- ICタグの種類や通信方式に関する各種制御情報を格納する領域です。
01-02.USERメモリ
EPCメモリと同様に、ユーザーが自由にデータを読み書きできる領域です。「EPCメモリに格納したものとは別のコード情報も格納したい場合」や「EPCメモリの容量では賄えないコード情報を格納したい場合」など、EPCメモリの補助的な役割で使用します。
- 参考情報
- ICタグによっては、USERメモリ領域が存在しない場合もあります。
- また、EPCメモリのようにコード情報を高速に読み書きできない場合もあるため注意が必要です。
01-03.TIDメモリ
「TIDメモリ」はICタグの製造時にメーカーによって書き込まれる領域で、チップセットや製造業者の情報が保存されます。
このTIDメモリ領域は基本的にユーザーによる書き込みができず、読み取りのみが可能です。
01-04.RESERVEDメモリ
後述するICタグの「ロック機能」や、ICタグの「無効化(Kill)機能」で使用されるパスワード情報を保存するための領域です。下記の2つの領域で構成されています。
- Access Password領域
- ICタグへの書き込みをロックするために使用する、パスワード情報を保存するための領域です。
- Kill Password領域
- ICタグを無効化(Kill)するために使用する、パスワード情報を保存するための領域です。
- 参考情報
- 「ロック機能」と「無効化(Kill)機能」については、「02. ICタグ・RFタグの制御」でご紹介しています。
02.ICタグ・RFタグの制御
02-01.ロック機能
予期せぬ書き込みを防止
02-02.無効化(Kill)機能
ICタグを受信できない状態にする
ICタグの情報を不必要に読み取られることを防ぎ、プライバシーを保護するため、ICタグの機能を止めて読み取れないように無効化(Kill)することができます。
無効化されたICタグは、解除を行うことはできず、二度と読み取りや書き込みができなくなります。