陸上移動局とは?
昨今のRFIDの普及に伴い、1つの構内のみではなくさまざまな場所での利⽤が要求されてきたことから、電波利用申請における新たな局種として「陸上移動局」が2019年3⽉27⽇に公布・施行され、制度化されました。
ここでは「構内無線局」との違いや「陸上移動局」のメリットについてご紹介します。
電波利用申請の概要については、電波利用申請のご案内をご覧ください。
電波利用申請における、これまでの悩み
これまでの電波利用申請における「構内無線局」の範囲は、認定された構内のみでの使用に限定されており、構内から外に持ち出すことは法令上制限がありました。そのため、RFIDの運用できるシーンや範囲は限られていました。
申請した場所を離れたら、たとえ自社工場であっても使用できない
港湾内で使用することができない
拠点間、複数店舗での使用ができない
イベント(マラソン大会のタイム計測など)での使用ができない
特定されない作業場所や、移動車両による設備点検での使用ができない
構内の外へ持ち出して使う場合、読み取り距離の短いRFIDリーダーしか使用できない
陸上移動局のメリット
電波利用申請の新たな局種として「陸上移動局」が施行されたことにより、これまでよりもRFIDがさらに使いやすくなり、運用できるシーンも広がります。
使用範囲が拡大します
- 国内のすべての陸上で、長距離読み取りが可能なRFIDリーダーを使用することができます。
- 港湾内でも接岸していれば、使用することができます。
移動中でも使用できます
- 移動または走行中の車両でRFIDリーダーの使用が可能です。
- 但し、ドローン等による空中での使用は禁止されます。
申請が簡略化されます
- 1回の申請で、複数の場所・拠点でRFIDリーダーを使用できます。
- 使用する場所・拠点ごとの通信局の届出は不要になります。
想定される利用シーン
電波利用申請を「陸上移動局」で行うことにより、これまで導入が難しかった場所で利用したり、長距離読み取りに対応するRFIDリーダーを利用したりできるなど、活用の幅が広がり更に業務を効率化できるようになります。
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物流
- 路上や駐車場、納入先でのピッキング業務
- 荷物の入出荷、トレーサビリティ
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イベント
- 野外ライブイベントにおける入退場管理
- マラソン大会におけるタイム計測
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交通インフラ
- 高速道路での路面・橋梁・トンネル・標識などの点検業務
- 鉄道の車両点検や線路などの設備点検業務
既に構内無線局を登録済みの方へ
構内無線局 陸上移動局へ変更したい場合の手続き方法
既に「構内無線局」での電波利用申請がお済みで、「陸上移動局」へ切り替える流れをご説明します。下記の手続きを行うことで、RFIDリーダーを構内から外へ持ち出して使用したり、移動先でも使用したりすることが可能になります。
なお、初めて電波利用申請を行う場合の手続きの流れは、電波利用申請のご案内よりご確認ください。
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- 申請申請書をダウンロードする
- 申請に必要な申請書を、下記のいずれかのリンクからダウンロードしてください。なお、構内無線局および陸上移動局は共通の申請書となります。
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- 申請申請書を記入する
- ダウンロードした申請書へ必要事項を記入します。
- 既に構内無線局を開設していて、陸上移動局へ変更する場合は、変更申請ではなく、新規の登録申請となります。
- 申請書の記入例(包括登録申請の場合)をご用意しております。記入の参考にしてください。
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- 申請申請書を提出する
- 管轄の総合通信局へ持参するか、郵便投函を行ってください。
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- 申請陸上移動局登録状が発給される
- 申請書類に不備がなければ、通常15日以内に発給されます。
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- 申請開設届と廃止届を提出する
- 包括登録申請の場合、「陸上移動局登録状」が到着した15日以内に、「陸上移動局の開設届」と「構内無線局の廃止届」の両方を提出する必要があります。管轄の総合通信局へ持参するか、郵便投函を行ってください。
- 届出の空白時間(登録していない時期)がないようにするため、「開設届」と「廃止届」の両方を提出してください。
- 開設届の提出後、電波利用料の振込票が送られてきます。
- 開設届および廃止届の記入例をご用意しております。記入の参考にしてください。
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- 申請電波利用料を支払う
- 振込票が到着したら、所定額の電波利用料を支払います。
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- 完了申請完了
- 以上で陸上移動局への変更申請の手続きは完了です。RFIDリーダーを構内から外へ持ち出して使用したり、移動先でも使用したりすることが可能になります。
- 申請書に記載した移動範囲での使用に限ります。
- 申請の詳細につきましては、ご利用いただく地域を管轄する各地方の総合通信局へお問い合わせください。
- 本ウェブサイトで公開している各申請書の記入例は、総務省の電波利用ホームページおよび関東総合通信局で公開されている記載要領を参考に、当社にて作成した記入例となります。(2019年9月時点)
- 電波利用申請の概要については、電波利用申請のご案内をご覧ください。